a-blog cms Training Camp 2017 Autumn に参加しました。
a-blog cmsは、アップルップルさんが提供しているCMS(Contents Management System)で、サーバーにインストールしサイト上のコンテンツを追加したり変更したりするシステムです。詳しくはa-blog cms 公式サイトをご覧ください。
今回参加した a-blog cms Training Camp は、その「a-blog cms」についてみっちり2日間「a-blog cms漬け」になる勉強会イベントです。a-blog cmsのユーザー(実際にa-blog cmsを利用している人)の実績発表、情報共有の場でもあります。
次期バージョンa-blog cms 2.8
機能追加が嬉しいa-blog cms。新しいバージョン「2.8」での追加機能発表が、アップルップル 伊藤さんからありました。特にいいなと思ったのは、以下の2点です。
テキストユニットの改善
a-blog cmsでは記事を編集するときに「ユニット」その一つで最も利用頻度の高い「テキストユニット」。今まではテキストユニット内で「リンク」や「強調」を使用すると、HTMLタグがそのまま追加されてしまう仕様になっていましたが、WYSIWYGのいいとこ取りをした感じです。
例えば、テキストユニットで「リンク」を使用すると、リンクを指定した文字がaタグでwrapされるのではなく「青い文字+下線」になります。
ユーザー(クライアント)目線の改善で、こういった「使う人の気持ち」をケアをしてくれるCMSは、多くありません。
テンプレートの継承
テンプレートから別のテンプレートを呼び出すには、includeがスタンダードだったのですが、今回追加された新機能「テンプレートの継承」を使うと、 @section(main) ~ @endsectionで書き換えたい部分だけ書き換えることで、テンプレートが「かなり」綺麗になります。
もう一つ、静的書き出し(pro版のみ)も、パスを自動で書き換えてくれるのは親切設計です。案件によって「静的でなければならない」という状況で、最後の切り札になるでしょう。
アイディアたくさんのユーザーセッション
今回のTraining Campはユーザーセッションが豊富で、様々なa-blog cmsの活用事例が発表されました。「こんな使い方あったんだ」とか、「よく使われる機能」が把握できる、いい機会です。こちらも全てよかったのですが、個人的に気になったものをいくつかピックアップします。
スタンプラリー
15VISION いちがみトモロヲさんが発表された「名古屋めしスタンプラリー」。これは本当に目から鱗で、a-blog cmsの基本機能を駆使してスタンプラリーのようなサービスができてしまうというものでした。「このようにすればできます。」と解説が詳しくあったのですが、その発想は普通は思い浮かばいよなーと感心してばかりでした。
校正オプションを自作
テリムクリ 山田さんが発表されたスマホ対応関連の中で、お客さんが更新しやすいように工夫されたことが、素晴らしかったです。「ここがちょっとな・・」と思うところを、しっかりケアしてサービスを作る姿勢は、見習わなければならないですね。
a-blog cmsだけじゃない
主催のapplepleスタッフのみなさん、参加者のみなさんも、普段はクライアントワークを行うデザイナーであったり、エンジニアであったりします。話題の技術から、知らなかった技術がありました。
- - fastly
- - モバイルファーストインデックス
- - Vary HTTPヘッダ
- - iPhone X対応
- - Google Chart Api
独自のサービスを作ることができる
我らが北海道からうぇびんさん、そして稲葉さんが発表された「ランペテーマ」。a-blog cmsの機能を活用し、いわゆる「LP」を作成できる仕組みを搭載したテーマです。色指定や配置、トレンドの要素などが簡単に組み立てられLPが作成できる優れもので、プロジェクトの予算が限られているときは。
拡張アプリ
アップルップルのエンジニア 堀さんによる「拡張アプリ」の解説。a-blog cmsと、ツールやアプリケーションとの連動ができちゃいますというもので、Google SpreadSheetやSlackとの連携は、ぜひ試してみたいです。
将来的に管理画面からインストールできたり、ユーザーに開発&公開も予定しているとのことで、楽しみです。
プロトタイプとしてのa-blog cms
最後に、今回のキャンプの中で、裏の共通テーマかなと個人的に思ったのが、a-blog cmsを「プロトタイプ」で活用できる、ということです。
a-blog cmsはテンプレートの設計がHTMLベースですので、フロントとの相性がとてもいいです。
弊社では要件定義がある程度できた段階で「これって実装の難易度高そう・・」と思ったら、なるべく早い段階でa-blog cmsのテンプレートに落とし込み、工数をチェックしています。その後のプロジェクトの完成形までの見通しを作りやすいa-blog cmsは、無理のない開発に一役買います。
今回、事例として発表した「M+(エムプラス)マンションリノベーション」のWebサイトも、デザイン設計から機能要件に落とし込み、クライアントの要望を擦り合わせて作ったサイトの一つであり、a-blog cmsの小回りのきくHTMLベースのテンプレートによって、その恩恵を受け開発ができました。
今後もさらにa-blog cmsのメリットをクライアントワークに活かせるよう、情報収集していこうと思っています。
もちろん、新バージョンにも期待です。