インバウンドでよろこばれる「観光ガイド」を作ろう!日本在住歴20年以上の韓国人社長が伝授する日本の魅力と案内ガイド作成メソッド
この記事のサマリー
- インバウンド観光が増加中。特に韓国から日本への旅行が大幅増
- 独自の観光ガイドを作成し、外国人観光客にPDFで共有するとよろこばれる
- Adobe Acrobat オンラインツールで複数のPDFを結合し、参加者に共有しよう
目次
アフターコロナになり、海外旅行の需要が戻ってきています。2023年4月の国別訪日外国人数は韓国がトップ。前年同月比60.6倍の46万7,000人もの人々が日本を訪れました。
私は韓国・ソウル出身で、日本滞在歴20年以上の韓日バイリンガルです。 留学がきっかけで日本に住むことになり、 今ではデジタルコンテンツ開発&ウェブ制作会社を設立し、経営者として毎日忙しい日々を過ごしています。
私が札幌に移住していることもあり、現在は札幌にある会社の代表を務めるかたわら、韓国の友人・知人を北海道に招き、趣味のゴルフやスノーボードの観光ガイドをするなど、仕事とプライベートの両方で日韓友好につながる活動をしています。
実際に、韓国の友人・知人からゴルフやスノーボードをしたいとよくリクエストされます。
しかし、これらのレジャーはインバウンド向けの現地情報がまだまだ充実しておらず、ツアー会社を通さないと情報をまとめて得ることが難しい状況でした。また、私自身がデザインやウェブ、情報デザインに関わる仕事をしていることもあり、 より便利にみんなに伝える方法がないかと思っていました。
そこで、自分で情報収集して観光ガイドや日程表を作成し、みなさんにPDF形式で配ったんです。 すると、みんなから「プロのようなガイド」だと大好評! 日本の魅力をいっそう深く知ってもらうきっかけにもなったと感じています。
今回は、韓国人の私から見た日本の魅力をお伝えしつつ、インバウンドの方によろこばれる観光ガイドを自作するポイントを解説します!
2018年に規制が緩和され、通訳案内士の資格がなくても有償でガイドできるようになり、インバウンドのガイドに興味のある方が増えていると思います。 そんな方々に向け、外国人観光客により日本を満喫してもらえるガイドをするためのヒントをお伝えできればうれしいです。
※この記事はアドビ社の企画「みんなの資料作成」に参加して執筆したものです。
日本と韓国の両方で暮らした経験から見た、こんなところが「日本の魅力」。
いざ観光ガイドを始めようとすると、「日本の魅力って何だろう?」「海外の人は何を体験したいのだろう?」などと悩むかもしれません。日本生まれ日本育ちの人にとって、海外の人が感じる「日本の良さ」が見えにくいのは当然のことです。
そこで、日本に長年住んでいる韓国人の私が感じる、日本の魅力を5つお伝えします。
韓国からのアクセスと日本国内の公共交通機関の便のよさ
日本で不便なく長く暮らせる大きな魅力ポイントのひとつ。それは、韓国から日本へのアクセスが非常に簡単という「利便性の魅力」です。韓国から飛行機や船で日帰りができるほど近い距離です。
・飛行機:ソウル ⇔ 東京間が約2時間30分
・フェリー:釜山 ⇔ 福岡間が約3時間40分
特に飛行機に関しては、低価格航空会社(LCC)が運航しており、手頃な価格で日本に来られます。それこそ、国内旅行のような気軽さです。
また、日本の公共交通機関は非常に効率的で、鉄道やバスなどの本数が多く、時間に正確です。韓国から来た観光客は、利便性の高い交通システムにも魅力を感じています。
日本語がわからなくてもいつでも手軽に入れる飲食チェーン店
日本の飲食チェーン店は、手頃な価格で高品質な料理を提供しており、バラエティに富んでいます。これは、日本の食文化が品質とリーズナブルな価格の両方を追求しつづけてきた結果と言えるでしょう。
特にコロナ禍でDX化・多言語対応が進み、タブレットのメニューから母国語である韓国語で日本の食べ物を選ぶ楽しみができたのも、個人的にうれしい点です。
ちなみに、私が日本に初めてひとり旅した際、言葉もわからずに入った蕎麦屋さんは券売機を使っての注文でした。そのときに頼んだ蕎麦の味は今も忘れられません。
実は、韓国では1人での外食文化がここ最近で増加傾向にありますが、韓国と比較して、日本のひとり食事の文化やコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
サービスがきめ細やかな日本のゴルフ場は、ゴルフ好きにとって理想的な場所
日本には、高級なところから手頃なところまでさまざまなランクのゴルフ場が存在し、韓国からのゲストの要望に合わせて幅広い選択肢から選べます。どのゴルフ場も、コースのメンテナンス、スタッフの対応、施設の充実度にこだわった高品質なサービスを提供しており、海外からのプレイヤーも快適にゴルフを楽しめます。
日本のゴルフカルチャーは、名門コースから美味しい食事、温泉まで楽しめる点から見ても、その洗練度は世界一だと思います。ゴルフが大好きな韓国人にとって、日本のゴルフ場でのプレーは非常に魅力的で、高品質なサービスと美しいゴルフコースが素晴らしいと感じます。
北海道のスキー場は日本が誇るスキースポット
北海道の雪景色と広大なスキーリゾートは、たくさんのスキーヤーやスノーボーダーを魅了しています。豊かな粉雪やゆとりのあるスキーコースなど、スキーヤーにとって夢のような条件がそろっており、特別な体験になります。
札幌市内から40分ほどで行ける手近なスキー場や、ニセコなどの世界でも有名なスキー場を体験してきた私にとって、札幌で暮らしていてもっとも自慢できるポイントが「ウィンタースポーツを楽しむのに便利なこと」です。
100円ショップやドン・キホーテなど、お土産の大量買いに適した店が多い
旅行の楽しみのひとつは「お土産選び」です。日本では手軽に行けるお店に、多彩な商品が用意されています。
たとえば、100円ショップは文房具やキッチン用品、美容アイテム、雑貨など、幅広いカテゴリーの商品を取り揃えています。
日本の大手ディスカウントストアであるドン・キホーテも、さまざまな商品を大量に取り揃えています。主要都市はもちろん、地方にも多く出店しており、韓国人をはじめ外国人にとても人気です。
ドン・キホーテには食品、飲料、お菓子、電化製品、ファッションアイテム、化粧品など、お土産として買いたくなるような商品も豊富です。訪日旅行者は、選択肢の多さと手頃な価格に驚くことでしょう。
しかも、多くの店舗が24時間営業なので、他の店が閉店したあとでも気軽にショッピングできます。
インバウンド向け観光ガイドはこう作る。5つの自作ポイントを解説。
私から見た「日本の魅力」についてご理解いただいたところで、いよいよ海外の観光客向けに観光ガイドを自作するポイントを解説します。
市販のガイドブックや、観光協会などが無料で配布しているパンフレットを活用して案内するのもよいですが、実際に案内する内容に合わせてオリジナルのガイドを作成すれば、観光客の満足度がいっそう高まりますよ。
デザインに強いウェブ制作会社の代表である私が、これまでに多数の観光ガイドを作成した中で生まれたメソッドですので、ぜひ参考になさってください。
観光客の目的や興味に合う情報を紹介する
観光ルートやスケジュールなど、観光の目的に沿った必須の内容をまとめるのはもちろん、観光客の興味に合わせて周辺のおすすめスポットといったプラスαの情報も含めるようにしましょう。
営業時間、アクセス情報、料金など、時季によって変更されやすい内容については、最新情報になっているかどうか確認するのもポイントです。
独自の視点やローカルな情報を提供する
市販のガイドブックに載っていないような観光スポットやイベントの裏話、ローカル料理、アクティビティなどを観光ガイドに入れることで、観光客の期待感がよりいっそう高まり楽しみが増します。
スマホで見やすいように、わかりやすいデザインと大きな文字を心がける
参加者は観光ガイドをスマートフォンで見るので、視覚的に魅力的で、使いやすいデザインにしましょう。写真やイラスト、配色などを工夫して、情報がわかりやすく伝わるようにします。
文字のサイズも大きめにして、スマホで見やすいかを実際にチェックしましょう。
地図や現地サポート情報を含める
参加者向けのマップアプリや目的地までのアクセスの確認方法を案内します。
緊急時の連絡先や何かトラブルがあってサポートが必要なときの指示も大切。観光客のみなさんの安全と快適な滞在をサポートしましょう。
観光ガイドはPDFで共有する
観光ガイドを共有する際は、PDF形式がおすすめです。
タブレット、PC、スマートフォンなど、どんなデバイスでも表示が崩れずに閲覧できて便利です。
印刷も可能なため、事前に紙に印刷したマップやスケジュールを持って行きたい方のニーズにも応えられます。
さらには、PDFにはハイパーリンクを埋め込めるので、ページ内から簡単にウェブサイト、地図、連絡先などにアクセスできますよ。
PDF化した観光ガイドを編集するなら「Adobe Acrobat オンラインツール」。手軽に使える便利な機能が豊富。
さて、観光ガイドを作成するツールとして一番身近なのは、Microsoft WordやPowerPointでしょう。クラウドサービスのGoogleドキュメントで作成する方もいるかもしれません。どのツールで作成した観光ガイドでも、すでに説明したとおりPDFに書き出してから共有しましょう。
ただ、観光ガイドをPDF化した後に、ファイルをまとめたり削除したくなったりする場面もあるでしょう。そんなときに便利な「Adobe Acrobat オンラインツール」についてご紹介します。
Acrobat オンラインツールの「PDFを結合」で、複数のPDFをひとつに
スケジュールや観光ガイドなどが複数のPDFに分かれていると、ツアー参加者が確認すべき資料が多くて混乱する可能性があります。そんなときは、Acrobat オンラインツールの「PDFを結合」で、PDFをひとつのファイルに結合しましょう。
Adobeのアカウントにログインした状態でファイルを結合すれば、オンラインストレージに自動で保存され、URLで他の人に共有することもできるので、今回はその方法を解説します。
※今回は観光庁が公開しているガイドブックのPDFをサンプルとして利用しています。
観光庁:お役立ちツール ダウンロードページ | 日本:公式ガイド
PDFファイルを結合するには、まずブラウザで「Adobe Acrobat オンラインツール」にアクセスします。
Adobe IDをお持ちの方は、登録済みのメールアドレスとパスワードでログインをしてください。初めて使う方は、アカウントを作成しましょう。ソーシャルログイン(Google アカウントやApple アカウントなど)にも対応しています。
ログインしたら、ツールの中の「ファイルを結合」をクリックします(表示されていない場合は、「すべてのツール」をクリックしてください)。
なお、私は有償版を契約していますが、無償版でも以下の解説手順と同じように操作することが可能です。
ログインしたら、ツールの中の「ファイルを結合」をクリックします(表示されていない場合は、「すべてのツール」をクリックしてください)。
なお、私は有償版を契約していますが、無償版でも以下の解説手順と同じように操作することが可能です。
自分のパソコン内にある複数のPDFを選択し、画面にドラッグ&ドロップします。
ここでは、2つのファイルを選択し、ドラッグ&ドロップしました。しばらくすると、2つのファイルが画面に表示されますので、右上の「結合」ボタンをクリックします。
処理が終わると、結合されたファイルが表示されます。ファイルの最後に「結合済み」という名前がつきますが、あとから変更できます。また、オンラインストレージに自動保存されるので便利です。
リンクを発行すればファイルを複数人に共有できるので、観光客グループにまとめてガイドを送りたいときに活用しています。
PDFの分割、削除、抽出、挿入などの便利なツールも
Acrobat オンラインツールでできるのは、PDFの「結合」だけではありません。
PDFを複数のファイルに「分割」したり、一部のページを「削除」や「抽出」したり、途中にページを「追加」したりできます。
画面上部のメニューバーに表示されている「編集」タブを確認してみてください。
たとえば、先ほど結合したPDFの中で不要なページがあるとします。この場合は「ページを削除」を選択します。一覧の中から不要なページにチェックを入れ、「ゴミ箱」ボタンを押せば、それらのページが削除されます。
1ページ単位での削除も、複数ページを選択しての削除も可能です。
まとめ
私から見た日本の魅力と観光ガイドを自作する際のポイント、「Adobe Acrobat オンラインツール」の便利な使い方をご紹介しました。
観光ガイドを作成することは、自分自身の学びにもなる貴重な経験です。
このような経験を通じて、私は自分が住む地域のことをより深く知ることができたほか、情報収集やコミュニケーション、デザインなどさまざまなスキルを磨けました。また、地域社会への貢献や環境配慮にも強い関心をもつようになりました。自分の知識を共有し、観光客の体験を豊かにする一方、自己成長と学習の機会を得られたことに感謝しています。
Acrobat オンラインツールは、PDFに関するさまざまな編集機能がブラウザで使えるので大変便利です。
無料版だと回数や機能の制限がありますが、Adobe Creative Cloudのコンプリートプランなら、Acrobatのフル機能が使えてAcrobat オンラインツールも無制限で使えますよ。私もAdobe Creative Cloudのコンプリートプランを契約しています。
誰もがスマートフォンを持っている時代です。個人で観光ガイドを作成し、参加者にPDFで共有すれば、きっとよろこばれるはず。ぜひ試してみてくださいね。
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